あなたは何のためにYouTubeをやるのか?( ②自社製品・技術のPRのための動画)

 今回のテーマは「 自社製品、自社技術のPRのための動画(法人向け) 」である。
 これまでの自社製品のPRの場と言えば「展示会」への出店が手っ取り早かっただろう。自社のPRブースを構え、お客様となりそうな方々との名刺交換する場が展示会の役割だろう。

展示会の出展は止めろ!!

 しかし、すでに企業の方ならご存知だろうが幕張などで行われる展示会の開催期間はわずか、3日程度だ。そこに掛かる費用は規模にもよるが最低100万円はくだらないだろう。その予算を半分、いや三分の一でも動画作りに回すとしよう。一度、アップロードした動画は、日本国内のみならず、世界へと24時間体制でPRしてくれる。いや、自社サービスをきっりち打ち出せば、お客様の方からアクセスしてくれるのだ。単なる客ではない。相当、期待値の高いお客様と言っていいだろう。

 多くの中小企業にとって数百万円掛けた出展は、自社の根幹を揺るがす大きな決断が今までは伴っていた。私はこれまで「夢織人」(テレビ大阪制作)の番組も手掛けてきた。展示会、特に海外への出展となると、まさに会社の存亡のリスクを掛けた一大出来事であった。しかしだ、YouTubeで多言語化対応すれば、海外のお客様の目に触れるチャンスも、出来てくるのだ。しかも破格の値段で!YouTubeをやらない理由を教えて欲しいほどだ。

プロはプロを知る!

 これまでの展示会におけるPRでは「本当はその商品に興味があったけど、時間の都合が合わず、行けなかった!」「本当は会場にいたけど、時間がなくて回れなかった!」「イベント自体を知らなかった!」といった事態も生じるものだ。ところがだ。YouTubeにアップすれば、「問題を抱えている人・企業」はあなたの動画に到達する。これまであった機会損失が無くなるのだ。また、実際の展示会では一部しか、紹介しえない。パンフレットや本物に触れる機会があるかもしれないが、実際の職人の技や会社としての真実の姿も見えないだろう。展示会に足を運ぶ人はそもそもあなたの会社以外にも見たい企業は多くある。どうしても埋もれるという欠点もある。それだけにYouTubeにアクセスしてくる視聴者は、企業にとっての相当な見込み客と言えよう。ここで必要なのは何千回という再生回数ではない。ぶっちゃけ、数十回の再生回数でも、大きな数と言っていいだろう。その一つが大きな取引先の可能性も大いにあるのだ。もちろん、上手くいく保証はない。けれど、やらない理由になるとは思えない。

<演出上のポイント>

 では、「自社製品・自社技術PR動画」のポイントを説明しよう。

①会社の歴史、理念を紹介する

 ここはいわゆるパンフレットでもあることのなのだが、やはり会社の歴史、素性を明かすことは信頼の第一歩である。考えても見て欲しい。今、やっているNHKのプロフェッショナル、情熱大陸でもいい。必ず、自分の出発点なり、歩みを紹介する。そこには単なる一企業ではなく、企業としての人格、ここには「血が通っている!」演出となる。例えば、同郷の出身者というだけで安心感を得ることもあるだろう。どの学校を出て、どんな思いで起業したのか?それを知ることも、お客様があなたの会社を選ぶ重要な理由になりうるのだ。

②お客様の悩みのポイントを考える!

 それぞれの企業に、それぞれの特性があるだろう。技術的な部分か、少ロッドからの対応か、あるいはスピード感か、はたまたデザイン性か。それぞれの自社の強みを動画して見えるのは当然、大事なポイントである。唯一無二のポイントが分かっていれば、簡単だ。しかし、自分たちでは意外と当たり前すぎて、強みが見えなくなることはよくあることだ。こういった点でプロに動画作りを頼むのも一つの手だろう。第三者の目で見ることは非常に価値がある。大事なことは検索されることでもある。例えば、研磨技術ひとつとっても、その材質はいかなるものか、これまでの実績は何か?お客様の悩みを想定した上でのタイトルや見せる中身の吟味が必要となってくる。

③外国語対応していく!

 上記でも触れたが、YouTubeの強みの一つが世界中に発信出来ることである。(中国では見れないが)日本というマーケットだけを相手にする必要がないのだ。食料関係では腐るとかの問題があるが技術や製品にまつわる企業ならば、大いに取引先拡大の営業ツールであり、海外進出という大きなプロジェクトの足掛かりなると言えるだろう。「いやいや、島津さん、うちには翻訳家もいませんし、またお金もかかるでしょ?」と思う方もいるかもしれない。しかし、「DEEPL」といった高度な翻訳ツールも存在する、もちろん、専門の翻訳家に比べれば見劣りはするだろう。しかし、翻訳ツールを使ってしまえば、「外国語出来ないから」というのは理由にはならない。

④お客様の声も取り入れる!

 これは非常にベタな演出ではあるが、すでにお客様となった人の感想を挟むことは説得力がある。自社の社員が自分の会社を褒めることは当たり前である。それは主観的なものであるが、実際のそこを試したお客さんの声にはある種のレビュー効果がある。「製品もさることながらアフターサービスもいいんです!」とコメントをくれたら、契約への大きな後押しとなってくれるだろう。その際に、どれぐらいの期間、お世話になっているのかもポイントである。

⑤会社の建物、ファッション、喋り方が全て見られている!

 動画では多くのことが分かってしまう。だらしない恰好をしているのか?働く現場は整理整頓をしているのか?安全に気を配っているのか?ISOを取得してはいるが本当に実施されているのか、筒抜けである。それだけに身なりやしゃべりはとても重要な要素と言えよう。決して華美な社屋が必要なわけではない。重要なのは心配りだったりする。笑顔でレポートすること一つも大事なことだ。

「受付の窓口」をサイドテロップに載せろ!

 基本的に、自社製品のPRをする以上、「受付の窓口はどこなんだろう?」は視聴者にとって大きなポイントだ。すこしでもそのストレスを掛けないためにもサイドテロップにはHPのURL、あるいはメールアドレスなどの情報は出しっぱなしにしておくべきだろう。(サイドテロップとは画面の端にずっと出しておくもの)あるいは資料請求先の宛先でもいい。大事なのは「受付の窓口」を常に分かりやすく提示しておくことである。この辺りは業種を問わず、確実に押さえておきたいポイントである。

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